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健全AI教育協会
HAIIA NOTES

Haiia Notes

諦めた夢に、もう一度火をつけるための記録。ニュース・記事・レポートで、AIと自己実現の現場を届けます。

記事· 8分で読めます

50代からの絵本づくり、AIが背中を押してくれた3ヶ月

定年まであと8年。「いつか絵本を」と思いながら30年が過ぎた山田さんが、生成AIと出会って変わった。毎朝6時、対話型AIと向き合う3ヶ月で、最初の1冊が形になるまで。

HAIIA

52歳の山田は、営業職として働くごく普通の会社員だ。都内の中堅メーカーで20年以上、取引先を回り続けてきた。定年まであと8年。そろそろ「その後の人生」を考え始める年齢だった。

そんな彼には、30年前から温めていた夢がある。絵本をつくること

学生時代から絵を描くのが好きで、子どもが小さかった頃は毎晩のように読み聞かせをしていた。その頃からぼんやりと「いつか自分でも絵本を作りたい」と思っていた。でも仕事は忙しく、家族との時間も大切で、いつしか「いつか」は「もう無理だろう」に変わっていた。

絵も文章も、プロには遠く及ばない。出版社に持ち込むなんて夢のまた夢。そうやって諦めていたところに、思わぬ転機が訪れた。

諦めていた理由

時間がない、スキルもない

山田が絵本づくりを諦めていた理由はシンプルだ。時間がなかった。営業の仕事は朝から晩まで取引先との調整に追われ、帰宅すれば家族との時間。休日も子どもの行事や家のことで埋まっていく。

もう一つは、自信のなさ。絵は好きだが、プロのイラストレーターのような技術はない。文章も同じだ。どんなストーリーがいいのか、どう構成すればいいのか、何度も考えては諦めた。「素人が絵本なんて」。そう思うと、手が止まった。

子どもが成人し、時間に余裕ができた今も、その気持ちは変わらなかった。30年の空白は、あまりにも重かった。

「いつか」が「諦め」に変わる瞬間

2025年の秋、山田は娘の結婚式に出席した。孫ができるかもしれない。そう思ったとき、ふと絵本のことが頭をよぎった。「孫に読んであげる絵本を、自分で作れたら」。

でもすぐに、その想像を打ち消した。今さら始めても、間に合わない。そもそも、どこから手をつければいいのかわからない。「いつか」はもう、「諦め」になっていた

AIとの出会いが、凍った時計を動かした

会社の研修で触れた生成AI

2026年1月、会社で「業務効率化のための生成AI研修」が開かれた。ChatGPTやClaudeといった対話型AIを使って、資料作成やメール文面の下書きを効率化しようという内容だった。

山田は正直、あまり乗り気ではなかった。50代でAI? 若手が使うツールだろう、と思っていた。でも参加してみると、意外と簡単に使えた。質問を投げかければ、すぐに返答が返ってくる。その自然な会話のやり取りに、少し驚いた。

研修が終わったあと、ふと思いついた。「絵本のストーリー案を相談したら、何か返ってくるだろうか?」

何気ない質問が、30年の扉を開けた

その夜、自宅で対話型AIを開いた。山田は少し恥ずかしい気持ちを抑えながら、こう入力した。

「小さな子ども向けの絵本を作りたいんですが、どんなテーマがいいでしょうか?」

数秒後、画面に文章が現れた。子どもが共感しやすいテーマの候補が5つ、それぞれの理由とともに並んでいた。「身近な動物」「季節の変化」「友達との冒険」……。どれも納得できる内容だった。

山田は続けて聞いた。「森の動物が主人公で、友達と協力するストーリーを作りたいです。どんな展開がいいですか?」

AIは、3幕構成のストーリー案を提示してくれた。主人公の設定、困難、解決。読んでいるうちに、映像が浮かんできた。「これなら、描けるかもしれない」。

その瞬間、30年止まっていた時計が、静かに動き出した

毎朝6時、AIと向き合う3ヶ月

対話型AIでストーリーを練る

翌日から、山田は毎朝6時に起きるようになった。出勤前の30分、対話型AIと向き合う時間を作った。

最初の1週間は、ストーリーの骨格を固めることに集中した。主人公のリスが困難に直面し、仲間のウサギとフクロウと協力して解決する。シンプルな構成だが、細部を詰めるのは意外と難しかった。

「このシーンで、リスはどんな気持ちでしょう?」「子どもに伝わる言葉で、どう表現すればいいですか?」。AIに質問を投げかけると、いくつかの候補を返してくれた。その中から自分の感覚に合うものを選び、少しずつ文章を組み立てていった。

AIは、嫌な顔をしない。何度でも修正案を出してくれる。その安心感が、山田の背中を押した。

画像生成AIでイラストのイメージを試作

ストーリーの骨格ができた2月半ば、次はイラストに取り組んだ。画像生成AIを使って、登場キャラクターのイメージを作ってみることにした。

最初は戸惑った。どんな指示を出せばいいのか、どう表現すればAIが理解してくれるのか。試行錯誤しながら、「森に住む丸顔のリス、優しい表情、絵本のイラスト風」といった指示を入力してみた。

生成された画像は、完璧ではなかった。でも、イメージの方向性を確認するには十分だった。色合い、表情、構図。何度か調整を重ねるうちに、「こんな感じがいい」という輪郭が見えてきた。

最終的なイラストは、自分の手で描くことにした。AIが出してくれたイメージを参考に、タブレットで少しずつ描き進めた。プロのような技術はないが、温かみのある絵になった。それで十分だと思えた。

2ヶ月で16ページの原型が完成

3月中旬、全16ページの絵本の原型が完成した。タイトルは『森のともだち』。リスが困難に立ち向かい、仲間と協力して乗り越える物語。

毎朝30分、平日だけで約40日。累計で約20時間をかけて作り上げた。30年前には想像もできなかった形で、夢が現実になろうとしていた。

最初の「できた」の瞬間

孫に見せた、3月20日の朝

3月20日の土曜日、娘夫婦が孫を連れて遊びに来た。孫は4歳。絵本を読み聞かせるのにちょうどいい年齢だ。

山田は少し緊張しながら、タブレットに入れた絵本を見せた。「じいじが作ったんだよ」と言うと、孫は目を輝かせた。

ページをめくりながら読み聞かせる。リスが困って、ウサギとフクロウに助けを求める場面で、孫が「がんばれー!」と声をあげた。最後のページで、3匹が笑顔で並んでいるイラストを見て、孫は「おもしろかった!」と言ってくれた。

その瞬間、30年の空白が埋まった気がした

娘も「お父さん、すごいね」と驚いていた。妻は「ずっと言ってたもんね」と、少し誇らしげに笑った。その温度が、嬉しかった。

AIは道具、動かすのは自分

山田は、AIがすべてをやってくれたわけではないと感じている。ストーリーの核心、キャラクターへの想い、子どもに伝えたいメッセージ。それを決めたのは、自分だった

AIは、その想いを形にする手助けをしてくれた。文章の候補を出し、イメージの方向性を示し、行き詰まったときに新しい視点をくれた。でも、最終的に「これでいい」と決めたのは、山田自身だ。

「AIは道具。でも、すごく頼りになる道具だった」。そう振り返る。

これから、もう一度夢を動かす

自費出版を検討中

山田は今、自費出版を検討している。印刷会社に問い合わせたところ、50部で約5万円。決して安くはないが、孫や親戚、友人に配るには十分な部数だ。

5月中には印刷を依頼し、6月には手元に届く予定だ。孫の5歳の誕生日に、プレゼントとして渡したいと思っている。

2冊目も作りたい

すでに、2冊目の構想も浮かんでいる。今度は海を舞台にした物語。カニとヒトデが主人公だ。

毎朝6時の習慣は、続いている。対話型AIと向き合いながら、少しずつストーリーを練っている。今度は、もっとスムーズに進められそうだ。

明日、動き出す一歩

山田のように、「いつか」と思いながら諦めていた夢がある人は多い。時間がない、スキルがない、今さら無理だ。そう思って、動けずにいる。

でも、2026年の今、AIという新しい道具が手に入った。完璧を求める必要はない。まずは対話型AIに、自分の「やりたかったこと」を話してみる。それだけでいい。

30年の空白も、たった1つの質問から動き出す。山田が証明してくれたように。


よくある質問

AIを使った絵本制作は、初心者でもできますか?

できます。山田さんも、AIツールを使うのは初めてでした。対話型AIは自然な会話で使えるため、特別な技術は不要です。大切なのは「作りたい」という気持ちと、少しずつ試してみる姿勢です。HAIIA の認定資格では、AI活用の基礎スキルを体系的に学べるプログラムも用意されています。

どのくらいの時間がかかりますか?

山田さんの場合、毎朝30分を約40日間(累計20時間)で16ページの絵本が完成しました。もちろん、ページ数や内容によって変わりますが、1日30分でも、続ければ形になるというのが実感です。AIが作業を効率化してくれるため、数年がかりではなく、数ヶ月で完成を目指せます。

AIを使うと、自分らしさは失われませんか?

いいえ。AIはあくまで道具です。ストーリーのテーマ、キャラクターへの想い、子どもに伝えたいメッセージ。それを決めるのは、あなた自身です。AIは候補を提示してくれますが、最終的に「これでいい」と選ぶのは人間です。むしろ、AIのサポートによって、自分の想いをより明確に表現できるようになります。HAIIA の3つの軸でも、自己実現を支えるAI活用の考え方を紹介しています。

About Haiia Notes

HAIIA(健全AI教育協会)が運営するメディア。AI で諦めた夢にもう一度火をつけるためのニュース・実践記事・レポートを、毎日お届けしています。