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健全AI教育協会
HAIIA NOTES

Haiia Notes

諦めた夢に、もう一度火をつけるための記録。ニュース・記事・レポートで、AIと自己実現の現場を届けます。

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30代会社員が、AIと3ヶ月で絵本を形にした話

学生時代に諦めた絵本制作。30代になって生成AIと出会い、週末の3時間だけで1冊目を完成させた佐伯さんの3ヶ月。特別な才能も、高額なツールも必要なかった。

HAIIA

大学時代、佐伯さん(34歳)の部屋には未完成の絵本のラフが山積みになっていた。美術部で絵を描き、いつか絵本作家になりたいと本気で思っていた。だが就職してIT企業の営業職に就いた後、週末は疲れて寝るだけ。描く時間も、何より「自分には才能がない」という諦めが、筆を持つ手を止めていた。

それから12年。2026年2月のある夜、SNSで流れてきた1枚のイラストが、佐伯さんの止まっていた時間を動かし始めた。

生成AIとの偶然の出会い

「最初は信じられなかったんです。こんなに温かみのあるイラストが、AIで作れるなんて」

佐伯さんがそのとき目にしたのは、Midjourneyという生成AIツールで描かれた絵本風のイラストだった。投稿者は「プロンプト(指示文)を工夫すれば、誰でもこのクオリティが出せる」と書いていた。

翌日、佐伯さんは迷わず月額30ドルのサブスクリプションに登録した。12年ぶりに、胸が高鳴るのを感じた。

初めて生成したイラストは、想像の8割くらいだった。でも、何度か言葉を変えて試すうち、2時間後には「これだ」と思える1枚が出てきた。大学時代に3日かけても描けなかったクオリティが、週末の夜にできた。

「自分の中にあったイメージが、初めて形になった瞬間でした」

週末3時間のルーティン

そこから佐伯さんは、毎週土曜の朝9時から12時までの3時間を「絵本の時間」と決めた。平日は営業の仕事、週末は家族との時間。でも、この3時間だけは自分のために使う。

使ったツールは3つ。

  • Midjourney: イラスト生成(月額30ドル)
  • ChatGPT: ストーリーのアイデア出しと文章の推敲(無料版)
  • Canva: レイアウトと最終仕上げ(無料版)

最初の1ヶ月は、キャラクターのビジュアルを固めることに集中した。主人公の「小さなキツネ」が、どんな表情で、どんな毛並みで、どんな服を着ているのか。50枚以上のバリエーションを生成し、3月中旬にようやく「これ」というキツネが完成した

2ヶ月目は、ストーリーと場面の構成。ChatGPTに「森で迷子になった小さなキツネが、仲間と再会するまでの物語」というテーマを投げ、20パターンのプロットを出してもらった。その中から気に入った展開を選び、自分の言葉で書き直した。

「AIが出した文章をそのまま使うことはしませんでした。自分が本当に伝えたい温度で、一文ずつ書き直しました」

この「AIの出力を素材にして、自分で仕上げる」というプロセスは、HAIIA の3つの軸でも強調されている自己実現の本質だ。

最初の「できた」の夜

3ヶ月目の5月初旬、全16ページの絵本が完成した。

最後の1ページをCanvaで配置し終えたとき、佐伯さんは深夜1時の部屋で、PDFを何度もスクロールして眺めた。12年前には形にできなかった夢が、そこにあった

「涙が出ました。大げさかもしれないけど、自分が諦めたものを取り戻せたような気がしたんです」

翌朝、家族に見せると、5歳の娘が「パパすごい!」と何度も言ってくれた。妻は「ずっとやりたかったこと、やっと形になったね」と笑った。

佐伯さんはこの絵本を、まず少部数だけ自費出版することに決めた。プロとして売ることが目的ではない。ただ、「形にする」という体験が、何よりも大きかった

数字で見るAI絵本制作の実態

佐伯さんの3ヶ月を数字で振り返ると、こうなる。

  • 総制作時間: 約36時間(週3時間×12週)
  • 生成したイラスト総数: 約180枚
  • 採用したイラスト: 24枚(本編16枚+ボツ案8枚)
  • 月額コスト: 約4,500円(Midjourney 30ドル+為替)
  • 書き直したプロンプトの回数: 平均1枚あたり7〜12回

「特別な才能」も「高額な機材」も必要なかった。必要だったのは、週末の3時間と、月5,000円以下の投資と、諦めなかった気持ちだけだった。

これから

佐伯さんは今、2冊目の構想を練っている。次は「都会で働く動物たち」をテーマにした絵本にしたいという。

「AIがあるから、僕でも続けられる。技術が追いつかないとか、時間がないとか、そういう言い訳がなくなったんです」

佐伯さんのように、AIをきっかけに止まっていた夢を動かし始めた人は、2026年の日本で確実に増えている。生成AIの個人利用者数は2025年比で約2.3倍に成長し、その多くが「創作」や「表現」の領域で使われている。

もしあなたにも、諦めかけた「いつかやりたかったこと」があるなら、まず週末の3時間だけ、試してみてほしい。AIは、あなたの中で眠っているイメージを、形にするための道具になる。

そして、同じように夢を動かし始めた仲間と出会いたいなら、HAIIA の仲間募集ページも覗いてみてほしい。一人で始めた小さな一歩は、仲間と共有することで、もっと大きな景色につながっていく。

「諦めた」は、「まだ始めていない」に言い換えられる。佐伯さんの3ヶ月は、そのことを静かに証明している。


よくある質問

AIを使った絵本制作に、絵を描く技術は必要ですか?

必要ありません。佐伯さんも「大学時代に少し描いていた」程度で、プロレベルの技術はありませんでした。生成AIは「こんな絵がほしい」というイメージを言葉で伝えれば、それを形にしてくれます。大切なのは、自分の中にある「こうしたい」というビジョンです。

月額30ドルのツールは高くないですか?

佐伯さんは「絵を描くための画材や教室に通う費用を考えれば、むしろ安い」と言います。Midjourneyの月額30ドル(約4,500円)で、月に約200枚のイラストを生成できる計算です。無料プランや低価格のツールもあるので、まずは試してみることをおすすめします。

AI生成のイラストを、自分の作品として発表していいのですか?

多くの生成AIサービスは、商用利用を含めて個人の作品として発表することを認めています。ただし、各サービスの利用規約を確認することが重要です。佐伯さんも、Midjourneyの規約を読んだ上で自費出版を決めました。AIを「道具」として使い、最終的な仕上げや編集は自分で行うことで、オリジナリティのある作品になります。

About Haiia Notes

HAIIA(健全AI教育協会)が運営するメディア。AI で諦めた夢にもう一度火をつけるためのニュース・実践記事・レポートを、毎日お届けしています。